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学府長室一時閉鎖!

 7月12日(火)の午後から,人文公共学府棟の空調が故障し,学府長室も冷房が効かなくなったため,しばらく封鎖しておりました。私は文学部棟の個人研究室の方に待避しておりました。いろいろご不便をおかけして申し訳ありませんでした。
 ようやく7月18日(火)には点検修理が入る見込みです。

 まだ夏休みが家族と一緒にとれた頃,大昔の写真ですが,せめても暑さをしのぐお手伝いに。

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人文公共学府 進学説明会

 (日程を訂正しました。ご注意ください。)
 本学府前期課程の進学説明会を行います。人文系と公共社会系とにわけまして:

  第1回  7月12日(水)17:00-18:30 公共社会系    文学部棟2F 203講義室
  第2回  7月13日(木)17:00-18:30 人文系      文学部棟2F 203講義室
  第3回 10月18日(水)17:00-18:30 公共社会系    文学部棟2F 203講義室
  第4回 10月19日(木)17:00-18:30 人文系      文学部棟2F 203講義室

   以上4回開催いたします。予約不要です。どうぞ奮ってご参加ください。

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『マンガでわかる 戦後ニッポン』

 一昨年2015年に出版された本なので,とぼけた紹介になって申し訳ありません。編集者の名前がないのですが(各作品解題・中野晴行,解説・内田樹となっています),このアンソロジーには,手塚治虫「紙の砦」から村上もとか「あなたを忘れない」まで13本,戦後日本の文化史・精神史・世相史を典型的に描いた名作が集められています。どの作品も(多くは私ですら再読のものですが)思わずうなるほどの傑作とはいえ,今となっては歴史を描いた貴重な作品であり,その意味で若い人々は注釈と説明抜きには理解できないでしょう。一本ずつ毎回取り上げて丁寧に解説を加えていくだけで,極めて有益な半年間の大学授業になるに違いありません。

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 私の個人的な趣味から言わせてもらうと,大好きな諸星大二郎の作品の中から,「不安の立像」が選ばれていたことにも(「商社の赤い花」とかではなく),賛嘆の思いを禁じ得ませんでした。
 戦後史を批判的に総括し,何を断固として継承し守るべきであり,何を果敢に克服すべきであるのか,明らかにし,広い合意を形成することが必要な時期にあると思います。この13本の作品は,そのための大きな手掛かりになると思います。

河島思朗(監修)『ギリシャ語練習プリント』

 同じ監修者の『ラテン語練習プリント』に続いて,『ギリシャ語練習プリント』がこの度上梓され,御恵贈いただきました。ありがとうございます。ラテン語の場合と同じコンセプトに立ちながら,今回はギリシャ文字を習得する,という新しい課題が付け加わります。この課題がまた見事にこなしてあります。アクセントや気息記号が見えやすいように,かなり大きめの活字でギリシャ文を組んであるのは,これまで案外なかった配慮なのです。私にとっても,加齢によって今のように老眼に苦しむずっと以前,学生の頃から,ギリシャ語の記号は見分けにくいものでした。また付録に「パソコンでギリシャ文字を表示する」があり、Polytonic の使い方が説明してあるのも,現代の学習書にはふさわしいことと思います。(私は Latex を使いますが,面倒がって学生諸君なかなか一緒になって使ってくれません!)
 ギリシャ語は長いこと担当していないので,すぐに使ってみる機会がないのが残念ですが,早速今日,サンスクリット語の授業で紹介しておきました。いずれ自主ゼミででも使おうと思います。本当にいい時代になりました。

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「かむなぎうた」

 日経新聞に堀江敏幸氏が連載している「傍らにいた人」は,国木田独歩の「忘れえぬ人々」に着想を得ながらも,独特の視点から縦横に諸作品を論じていて,毎回楽しく読んでいます。取り上げる作品のひろがりはさすがで,6月24日付では日影丈吉(1908-1991)の「かむなぎうた」まで対象になったのには,本当に舌を巻きました。日影丈吉は私の大好きな作家のひとりで,今はもうなくなってしまった現代教養文庫の『傑作選』全4巻も,河出書房の『選集』も,国書刊行会の『全集』も揃えてしまったほどです。(古本で初版本を探すまでのマニアではありません)
 日影の作品についても,堀江氏の文章についても,何を言っても,いわゆる「ネタバレ」になりますので,慎んでおきます。堀江氏の連載は,これだけの名文ですから,必ず連載完結後に単行本となって出版されると思います。私も楽しみにしていますし,皆さんもどうか手に取ってみてください。文学を読む楽しみ,その豊かさが,静かにみなぎる教養と思惟の深みから自然にあふれ出てきます。
 日影丈吉もぜひどうぞ。私は,「吉備津の釜」と「飾燈」が好きです。

ラテン語の第二回説未来について

 「第二回説未来」という用語を使ったら,「第二回・説未来」と読んで意味が分からず,質問してきた方があったので,改めて説明しておきます。

 「回説」(かいせつ)または「迂言」(うげん)というのは,periphrastic の和訳ですが,ラテン語とギリシャ語でしか使わないようです。たとえば動詞変化の文法カテゴリーが,一つの動詞の変化形だけでは表せず,機能動詞(助動詞)と動詞派生語(分詞や不定詞)による複数の語によって表されることです。近代諸語では当たり前で,「have + 過去分詞」とか「werden + 過去分詞」というあの形式です。動詞については,現代フランス語文法で使う「複合時制」とおなじことなので,私はこちらで統一した方が良いと思います。ちなみにサンスクリット語では「複合」を使っています。

 古代の言語は単一の語の変化で全ての文法カテゴリーを表す「統合的」タイプ(synthetic)だが,近代語は複数の語で表す「分析的」タイプ(analytic)に変化した,と大雑把に説明されることがよくあります。言語類型学(language typology)のごく基礎段階の話です。
 ラテン語:mutabor → 英語:I will be mutated.
 (この例文でピンときた方はかなりのマニアです。ハウフ「コウノトリになったカリフ」に出てくる呪文です。花田清輝がこれについて評論を書いています。)

 けれども,現代語を考えてみてもわかりますが,統合的タイプと分析的タイプは,一つの言語の中で交じり合っています。良い例が形容詞の比較変化です。フランス語では分析的変化の一本鎗(plus),ドイツ語では統合的変化の一本鎗(-er/est),英語では形容詞の語尾によって統合的変化(-er/-est)と,分析的変化(more/most)を使い分けます。

 さて,ようやく本題です。ラテン語の時制は,直説法の6時制のうち,完了系の3時制の受動態だけが esse + 過去分詞 による分析的変化(回説変化!)で,残りはすべて統合的変化です。
 ところが用例は少ないのですが,この動詞変化体系とは別に,回説未来(複合未来!)があるのです。第一と第二の二種類がありまして,第一は esse + 未来分詞,第二は esse + 動形容詞(gerundivum)です。第一を能動態,第二を受動態として使い分けます(お分かりのように,従って特に第二はモダリティの問題と不可分になりますが,ここでは立ち入りません)。
 主動詞よりも後のことを表すので,回説未来(futurum periphrasticum)と呼ぶのですが,主動詞の時制に一致させ,結局 esse の全時制において変化可能なので,単に「回説変化(conjugatio periphrastica)」と呼ぶ文法書もあります。Kühner のものがそれで,古い文法書ほど詳しい説明があるようです。日本語で書かれた文法書では,あの『新ラテン文法』以外に詳しく扱ったものはありません。要は間接話法で「未来」=「主動詞よりも後に発生する」ことを表現するために用いる動詞変化です。

 入門段階でも詳しく説明する時間的余裕はないし,かといって講読授業でテクストに頻繁に現れて解説を補えるものでもなく,教師の泣き所です。折角の機会なので,この場を借りて簡単に説明させてもらいました。

「ニキータ・アレクセーエフ 岸辺の夜」展

 ロシア現代美術を代表するアーティスト,ニキータ・アレクセーエフの個展が,千葉大学文学部主催で千葉大学附属図書館において6月8日~6月28日の間,開催されます。詳細は以下のページでご覧ください。

http://www.l.chiba-u.ac.jp/topics/30.html

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「子ども食堂とフードバンク」

 フードバンクちばの設立5周年を記念したイベント「子ども食堂とフードバンク」が本日2017年6月10日(土)10時から千葉大学人文社会科学系総合研究棟を会場にして開催されます。コメンテーターを千葉大学大学院の特任助教伊丹謙太郎氏が務めます。

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 フードバンクちばについては以下のページをご覧ください。

http://fbchiba.ko-me.com/Entry/321/

チバニアン時代

 千葉県市原市にある約77万年前の地層が地質学上大変重要な意味を持つことが分かり,もしかしたら地質時代の一つがこれにちなんで「チバニアン」=「千葉時代」と名付けられる可能性があるというニュースが流れました。イタリア南部に「ライバル」がいるのだそうで,夏に南アフリカのケープタウンで開かれる万国地質学会議で最終決定がなされるようです。学問的な仔細はよく分りませんが,地元の重大ニュースです。

 これについて,「チバニアン」がラテン語の学名として正しいのかどうか,ちょっとした議論になっているそうです。
 
 ラテン語の地名は:
 1)古くからの用例があれば,それに従う。
      ローマ: Roma → romanus, -a, -um
     ラヴェンナ:Ravenna → ravennas, atis
     パルマ:Parma → parmensis -is
     ブリンディシ:Brundisium → brundisius, -a, -um
2)ローマ人にとって新しい(あるいは未知の)地名ならば,-ensis を付加して作る。
     東京:Tokio → tokioensis, -is
     北京:Pekin → pekinensis, -is

 ですから,慣例に従えば,千葉は ”chibaensis" 「チバエンシス」なります。こういう場合,原音を生かすので,hiatus(母音連続)を嫌いません。

 地質時代の名称を眺めると,英語で「-イアン」という形で揃っていて,失礼ながら地質学者の皆さんの美意識と軽い遊び心を感じます。それでも,その「-イアン」が,むやみに「-ニアン」になったり,「-シアン」になったりしているわけではなく,そこはきちんと歴史をたどり,根拠があって変化させてあります。(そうでなければ遊びとして完成しません!)

 千葉大の他のラテン語の先生も同じ意見ですが,この際ラテン語の学名の慣例にあっていようがいまいが問題ないように思われます。そもそも千葉の地名を歴史的にさかのぼっても,ラテン語になりませんから。ならば,この「チバニアン」という美しい名称を,この分野に携わる皆さんで自主的に決め,世界に発信していけばよいと思います。こういうことは,必ず当事者の主張が尊重され,国際的に受け入れられます。
 英語の Tokioite はあまり使われないような気がしますが,ドイツ語の Tokioter はよく使われます。日本の他の地名で,かような形容詞形を外国語において持っているものがあるのかどうか,まだ詳しく調べておりません。千葉が持っていても全然悪くありません。率先して公文書などで,「チバニアン」chibanian を使っていってはどうでしょうか?

奇妙な木

 文学部棟通用門前の自転車置き場に、奇妙な木が生えているという通報があったので,早速見に行きました。     

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 一件普通の灌木のようですが…

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 よくよく見ると,確かに何かがおかしい。思い切って近づいてみると…

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 おお,長らくろくに掃除もされずに放置されていた雨どいに生え,大きく育っていたのでした!
 これはかわいい。こういう子にはぜひ長生きしてもらいたいものです。
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