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チバニアン時代

 千葉県市原市にある約77万年前の地層が地質学上大変重要な意味を持つことが分かり,もしかしたら地質時代の一つがこれにちなんで「チバニアン」=「千葉時代」と名付けられる可能性があるというニュースが流れました。イタリア南部に「ライバル」がいるのだそうで,夏に南アフリカのケープタウンで開かれる万国地質学会議で最終決定がなされるようです。学問的な仔細はよく分りませんが,地元の重大ニュースです。

 これについて,「チバニアン」がラテン語の学名として正しいのかどうか,ちょっとした議論になっているそうです。
 
 ラテン語の地名は:
 1)古くからの用例があれば,それに従う。
      ローマ: Roma → romanus, -a, -um
     ラヴェンナ:Ravenna → ravennas, atis
     パルマ:Parma → parmensis -is
     ブリンディシ:Brundisium → brundisius, -a, -um
2)ローマ人にとって新しい(あるいは未知の)地名ならば,-ensis を付加して作る。
     東京:Tokio → tokioensis, -is
     北京:Pekin → pekinensis, -is

 ですから,慣例に従えば,千葉は ”chibaensis" 「チバエンシス」なります。こういう場合,原音を生かすので,hiatus(母音連続)を嫌いません。

 地質時代の名称を眺めると,英語で「-イアン」という形で揃っていて,失礼ながら地質学者の皆さんの美意識と軽い遊び心を感じます。それでも,その「-イアン」が,むやみに「-ニアン」になったり,「-シアン」になったりしているわけではなく,そこはきちんと歴史をたどり,根拠があって変化させてあります。(そうでなければ遊びとして完成しません!)

 千葉大の他のラテン語の先生も同じ意見ですが,この際ラテン語の学名の慣例にあっていようがいまいが問題ないように思われます。そもそも千葉の地名を歴史的にさかのぼっても,ラテン語になりませんから。ならば,この「チバニアン」という美しい名称を,この分野に携わる皆さんで自主的に決め,世界に発信していけばよいと思います。こういうことは,必ず当事者の主張が尊重され,国際的に受け入れられます。
 英語の Tokioite はあまり使われないような気がしますが,ドイツ語の Tokioter はよく使われます。日本の他の地名で,かような形容詞形を外国語において持っているものがあるのかどうか,まだ詳しく調べておりません。千葉が持っていても全然悪くありません。率先して公文書などで,「チバニアン」chibanian を使っていってはどうでしょうか?